多摩美のこと、ネットの画像をそのまま自分の作品に使って抵抗がないのこと
佐野研二郎問題。
オリンピックのエンブレムはよしとしても、
サントリートートバッグ問題という思わぬところに火が着いてしまったなあと感じている。
サントリーの方、こっちはちょっと問題なのだ。
えーと、佐野研二郎自身がなんかやらかしたんじゃなくて、
佐野さんのデザイン事務所のたぶん経験の浅い若手デザイナーが、軽い気持ちでネットのフリー素材を自分のデザインとして出してしまったのだ。
「自分の作品にフリー素材とかそのまま持ってきてなんら抵抗はないのか。」
この画像に多摩美って書かれててはっとした。
(多摩美には尊敬する先生とお世話になっている先生もたくさんいるので悪いことは言えない。)
多摩美の1年生だった2007年。
「ネットの画像をそのまま自分の作品につかって抵抗はないのか」ってことで周りの人たちと大いに揉めた。
この件がきっかけで、それまで仲のよかった友達1人を失った。
たぶん多摩美の4年間いて一番印象に残った出来事だろう・・。
あの当時を振り返ると、時代は大きく変わり始めていた。
時代の流れもあり、一人で部屋に閉じこもってもの作るっていう、いわゆる根っからのものづくり人間ってのはかなり減ってきていた。
私が失った友達、とても素直でいい子だった。
グループワークをやっていて、インフォグラフィックを作るのに人物のシルエットが必要になった。
そこでその友達は、ネットで適当な写真を取ってきてトレースしはじめたのだ。
それはやめてくれ、せめて自分で写真をとって使ってくれ、と私が言い、そこから意見がぶつかり始めた。
その子は著作権の講義もとっていて、わざわざ著作権教えてる先生に写真のトレースの件が問題になるかどうかを聞いて、問題じゃないような旨を伝えてくれた。
だが私がいいたいのは、著作権がどうかという問題じゃない。
「ネットの画像をそのまま自分の作品につかって抵抗はないのか」ってことが言いたかったのだ。
結局、最後までそれを伝えることはできなかった。
アホだった私は、先生にもそのことを相談した。
けど、ここは教育機関だから、ネットの画像持ってきて使うのは別に大して問題じゃないみたいなうやむやな回答もらって終わった。
なにを信じてここに来たんだろう。
多摩美はもっと強くて魅力的なものだとばかり思い込んでた。
すっげえ悔しくて、辛くて、
けどそういう時代なんだなって思って折れた。
そして、その思いはずっと閉じ込めたままにしていた。
けど今、その思いがすーっと解放されたような感じ♪
(ここに不適切な発言があったため削除しました♪)
同じ美大でもあまり名前の知られていない、東北芸工の話をきいて悔しい。
仲のいい出身者の人間に、大学でなにをやってきたのかとかいろいろ聞くんだけども
非常に悔しい、それに尽きる。
技術うんぬん以前に、ものをつくる人間になることをかなり叩きこまれているからだ。
多摩美の名前だけがひとり歩きしてる、勝手に出来上がったブランドイメージに、今、転機が訪れてると思う。
タマビの名前のお陰で企業インターンとか何度か呼ばれたことがあって一概にわるいことばっかじゃないとおもうんだが・・。
ブランドを守るのは悪いことじゃない、けどこのままじゃダメなんだ、
固くなりすぎてしまったものが、いい方向にぶっ壊れていかないかな♪と思いつつ、
多摩美にも泥臭く、ものをつくる人間がまた増えてきてもいいんじゃないかなと思う。
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お世話になったけど、T美術大学、、自分とは方向性が違うんだろうな単に、、、